マンドレイク

ハリーポッターに出てくるマンドレイクは恐ろしい植物である。薬草学の授業でハリーらは苗の植え替えをするのだが、マンドレイクを苗床から引っこ抜くと赤ん坊のような顔をした根っこがすさまじい声を発する。この悲鳴を聴くと死んでしまうので、生徒たちは耳栓をつけて作業しなければならない。先生から厳重な注意があったにも関わらず、油断した生徒が耳栓をせず、声を聴いてしまい、たちまちへなへな、と倒れてしまった、というシーンが忘れられない。マンドレイク、あるいはマンドラゴラ、叫ぶ植物という伝説は、ヨーロッパでは良く知られている。ハリーポッターではその恐怖の根っこが憎々しい赤ん坊の顔であるところが面白い。古今東西、金切り声を出す子供に負ける大人は多いと見える。というのは、私には2歳の孫がいるのだけれど、この子が凄まじい金切り声をだすのである。嬉しすぎる時や、大人をからかう時に出す声はまさにマンドレイク。この声にあっては耳をふさぎ、目を閉じて、身を守るしかない。まさに殺人級。嫌なことに本人はその効果を十分承知している。そして私達は今日もやられてしまった。娘と3人で智光山で行われているイベントに行ったのだけれど、楽しくて、嬉しくて、昼寝も忘れ、テンション上がりまくり、2歳の可愛い盛りの女の子はすっかりマンドレイク化したのです。いやはや大変でした。母と祖母は半日でどっと疲れてしまいました。最近の遠方の友の便りにありました。孫は来て嬉し、帰って嬉し。本当にそうですね。

 

地中海原産のマンドレイク、実際は悲鳴など上げません。サフランに似た綺麗な青紫色の花を咲かせます。ナス科のようです。